スマホ片手に情報を消費するZ世代・α世代。彼らの心を掴むには、テキストよりも動画コンテンツが効果的なのをご存知でしょうか?私たちホームページ制作の現場でも、近年「採用サイトに動画を入れたい」というご相談が急増中です。実際、応募者とのミスマッチ防止に絶大な効果を発揮します。
この記事では、採用サイトでの動画活用のポイントを最新事例とともに解説します。制作のノウハウから効果的な配置方法まで、実践的な内容をお届けします。
今、なぜ採用サイトに動画が求められているのか?
Z世代・α世代の動画消費傾向
「テキストより動画で」というのがスマホネイティブ世代の特徴です。動画はテキストの約5,000倍の情報量を伝達でき、短時間で効率よく理解できるため、時間効率を重視する若者に支持されています。
- 時間効率を重視
- 動画でサクッと情報収集
従来の採用サイトでは伝えきれない企業の魅力
「うちの会社はアットホームな社風です」
テキストでこう書いても、具体的なイメージは湧きづらいですよね。でも動画なら社員同士の何気ない会話や、オフィスの雰囲気をダイレクトに伝えられます。
Z世代は「入社後のライフスタイルをイメージしやすい」情報を求める傾向があり、動画はその期待に応えるベストな手段です。
- リアルな企業文化の伝達
- 社員の生の声を届けられる
- 職場環境を視覚的に共有
- 仕事の実態を具体的に示せる
採用動画の効果
採用サイトに動画を導入した企業は、応募者数の増加とミスマッチの減少を実現しています。
採用コンセプトムービーによる共感と信頼の獲得方法
ストーリー性のある企業メッセージを届ける
採用コンセプトムービーは、企業理念や採用メッセージを凝縮し、視聴者の感情に直接訴えかける動画です。ただ会社の特徴を羅列するのではなく、「なぜ私たちはこの仕事をしているのか」という物語性を持たせることが重要です。
例えば商品やサービスに直接関係ない社内の挑戦や葛藤をあえて見せることで、普段見えない企業の一面を知ってもらい、親しみを持ってもらえるでしょう。
等身大の企業文化を見せる勇気
「私たちの会社は完璧です」
とアピールしている動画に誰が共感するでしょうか?信頼を得るには、飾らないリアルな姿を映すことが大切です。
社員の本音の言葉や実際の職場風景を盛り込み、良い面も課題も含めた等身大の姿を見せましょう。また、多様な社員の個性を取り上げることで「この会社には自分に近い人がいる」と感じてもらえます。
ただ事実を述べるのではなく、企業のミッションやビジョンに絡めたストーリーで語ると、視聴者の心に残りやすくなります。こうした工夫により、企業のブランドイメージ向上や、信頼感の構築につなげることができます。
経営陣の想いを直接伝える
コンセプトムービーは企業の個性や強みを映像で見せることで認知度や好感度がアップし、共感者を増やせます。
例えば経営トップ自らカメラに向かい理念や想いを語る動画では、文字では伝わらない熱量が伝わってきます。「どんな人が会社を率いているのか」を見せることで、採用候補者との心理的距離を縮められるでしょう。
映像の力で、言葉だけでは伝わらない会社の魅力を伝えよう!
成功企業に学ぶ動画活用の実例
実際に採用動画を効果的に活用している企業の事例を見てみましょう。
RFA digital brains株式会社

社員インタビューとオフィス紹介を組み合わせた構成で実際の職場での撮影で会社の雰囲気を伝達し、「尖ったヤツだけやってこい」というタイトルで求める人材像を明確化しています。
大鏡建設

大鏡建設が建設業を通じて、新しい価値と未来を生み出す場所、つまり街づくりを目指していることが紹介されています。指示されたことをこなすだけでなく、自ら考えて動ける人材を惹きつける動画になっています。
株式会社ロフト

各事業部の社員から役員まで、幅広い層のインタビューを収録し、企業の特徴や魅力を多角的に伝達しています。
USEN-NEXT GROUP

動画は会社概要、自社事業と採用に関する情報を紹介する採用動画、会社CEOが求職者に向けたメッセージ動画の3つで、求職者目線の採用活動動画です。
各社とも、伝えたいメッセージに沿った動画タイプを選択し、動画ならではの手法で自社の魅力発信に成功しているのが特徴です。
採用サイト内での動画配置術
採用サイトでは、ページの目的に合わせて動画を配置することが大切です。以下にページごとの活用例と意図を示します。
トップページ(メインビジュアル)
サイトを開いて最初に目に入る「ファーストビュー」に採用コンセプトムービーを埋め込むと、訪問者に強いインパクトを与えられます。
「どんな会社か」を数秒で直感的に伝えられるので、興味を引きつける効果が抜群です。
社員紹介・仕事内容紹介ページ
「どんな人が働いているの?」という疑問に応える社員紹介ページには、社員インタビュー動画や一日密着動画が効果的です。
働く人の生の声や職場の雰囲気を伝えることで、求職者は入社後の自分の姿を具体的に想像できます。
オフィス紹介・カルチャーページ
「職場環境はどんな感じ?」という疑問に応えるため、オフィスツアー動画や社内イベントのダイジェスト映像を配置しましょう。
普段見られない本社オフィスや工場の様子を動画で見せることで、「ここで働いてみたい」という気持ちを起こさせます。
会社・事業紹介ページ
複雑な事業内容や会社の歴史を説明するページでは、事業紹介動画が効果的です。
文章では伝わりにくい製品の強みや仕事のスケール感も、映像なら直感的に理解できます。
メッセージページ(経営者・採用担当の挨拶)
トップメッセージや採用責任者の挨拶ページには、文章だけでなく動画メッセージを掲載すると効果的です。カメラ目線で自社の未来像や求める人材像を語る動画は、文字よりも熱意が伝わりやすく、視聴者の信頼感を高めます。
「どんな想いで採用しているのか」を直接伝えることで、応募者との心理的距離を縮められるでしょう。
- 訪問者の疑問に応える
- 信頼感を高める
- 入社後をイメージしやすくする
採用動画の制作方法とコスト
内製 vs. 外注の選択
採用動画を制作する際、まず自社で制作するか、制作会社に依頼するかを決めます。制作会社に外注する場合の費用相場は以下の通りです。
社員インタビュー動画:50~100万円
会社・事業紹介動画:100~200万円
採用コンセプトムービー:100~300万円
座談会形式の動画:50~100万円
※あくまで目安。
実際の費用は動画の長さや内容、発注先によって上下します。
外注のメリットはクオリティの高い動画を短期間で制作できることです。プロの手に委ねることで撮影・編集の手間を省け、完成度も安定します。一方でコストがかかるため、予算や求める品質に応じて内製とのバランスを検討しましょう。
内製の場合の制作フロー
自社で動画を作る場合は、一般的に次のステップで進めます。

動画のコンセプトやターゲットを明確化します。新卒向けか中途向けか、理系か文系かなど、想定視聴者像を具体的に絞り込むことで方向性が定まります。
伝えたい内容の優先順位を決め、動画全体の流れを設計します。盛り込みたい情報を欲張りすぎると冗長になるため、求職者が本当に知りたいことに絞り込むのがコツです。
構成が固まったら撮影に入ります。必要な機材(カメラ、三脚、マイク等)を準備しましょう。インタビュー動画なら半日~1日程度で済むことが多いですが、密着ドキュメンタリー系は数日~数週間かけるケースもあります。
撮影した映像を編集ソフトで繋ぎ合わせ、テロップやBGMを入れて仕上げます。字幕(キャプション)を付ける場合は読みやすさに注意しましょう。編集後は入念なチェックを行い、誤字や映像・音声の不備を修正します。
完成した動画を社内確認の上、採用サイトやYouTubeチャンネル等に公開します。自社サイトだけでなく、SNS等にも展開して多くの人の目に触れるようにしましょう。
コストを抑える内製のコツ
内製でコストを抑えるにはいくつかコツがあります。
自社でできる部分と外注する部分を上手に切り分けよう!
- ハイブリッド方式の活用
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全てをプロに任せるのではなく、自社で撮影できる部分は内製し、難しい編集だけ外注するハイブリッド方式が効果的です。
社内で容易に撮れる社員インタビューやオフィス風景などは自前で用意し、仕上げの編集や特殊効果のみ業者に依頼すれば費用を圧縮できます。
- 動画の長さを適切に
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ダラダラ長い動画は制作費も増大し、視聴者の集中も続きません。訴求ポイントに絞って簡潔に伝える構成にすることで、適度な尺でコストも低減できます。
理想的な長さ: 2~3分
- 社員の出演
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外部のナレーターや俳優を起用すると出演料や手配コストがかかります。極力社員に登場してもらうことでコストを削減できます。
社員出演のメリット- コスト削減
- リアルな表情を伝えられる
- 信頼感アップ
- 音質にこだわる
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映像のクオリティは多少落ちても、音声が聞き取りにくいと致命的です。外部マイクを使う、静かな場所で録音するなどの工夫をしましょう。照明も明るすぎ・暗すぎに注意し、必要に応じて簡易ライトを用意します。
- 著作権に注意
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要注意ポイント
- 社員やオフィスを撮る際は許可を取る
- BGMに市販楽曲を使う場合は権利処理を忘れずに
- 外注時は素材の権利帰属を契約で確認
動画の効果を最大化する運用術
作成した動画コンテンツは、最大限に活用して初めて価値が生まれます。ここでは効果を高める運用のポイントを解説します。
SNS連携による拡散
採用サイトに掲載した動画は、自社サイト上だけでなくSNSや動画プラットフォームへも展開しましょう。例えば完成後にまずYouTubeにアップロードすれば、自社チャンネルで広く公開できるうえ、サイトや求人ページへも簡単に埋め込めます。
世界最大の動画プラットフォームであるYouTubeに投稿すれば多くの人材にリーチでき、企業認知度向上や応募数増加も期待できます。
また、近年若者に人気のTikTokやInstagramリールなど短尺動画SNSも採用に活用する企業が増えています。
こうしたマルチチャネル展開により、現時点で興味を持っていない潜在層にもリーチして母集団形成を強化できるのです。
- 世界最大の動画プラットフォームでリーチ拡大
- 自社サイトや求人ページへ簡単に埋め込み可能
- 企業認知度向上や応募数増加に貢献
TikTokは特にエンゲージメント率が高く、投稿がバズれば一気に拡散して企業への注目度を上げる効果があります。
スマホ最適化を忘れずに
応募者はPCよりもスマートフォンで採用情報を見るケースが増えています。そのため動画もスマホで快適に視聴できる形で提供する必要があります。
具体的には、YouTubeやVimeoなどの埋め込みプレイヤーは各デバイスに自動対応するため有効です。また縦長動画(9:16)にも対応しておけば、スマホ画面でフルに魅せることができます。
- YouTubeやVimeoなどの埋め込みプレイヤーは各デバイスに自動対応
- 縦長動画(9:16)はスマホ画面でフルに表示
- キャプション(字幕テキスト)で音声が出せない環境でも内容が伝わる
最近のSNSでは自動再生時に音声オフがデフォルトのことも多いため、字幕やテロップでフォローしておくと動画の伝達力が上がります。
UXを考慮した動画配置
採用サイトに動画を組み込む際は、ユーザー体験を損なわない演出に留意しましょう。例えばトップページの背景動画は自動再生する場合でも音声はミュートにしておく、長尺動画は専用のページで再生させトップページではダイジェスト版を流すなどの工夫で、閲覧の妨げにならないようにします。
動画埋め込みによってページの表示速度が極端に落ちないよう、必要に応じて遅延読み込み(ユーザーがスクロールしてからロード)を使うことも検討しましょう。また動画のサムネイル画像を魅力的に設定し、再生を促すことも大切です。
- トップページの背景動画は自動再生する場合でも音声はミュート
- 長尺動画は専用のページで再生、トップページではダイジェスト版
- 遅延読み込み(ユーザーがスクロールしてからロード)の活用
- 動画のサムネイル画像を魅力的に設定し、再生を促す
効果測定とフィードバック
動画公開後は、視聴数・視聴維持率・高評価数やコメントなどの指標を追い、採用マーケティングのPDCAに活かしましょう。
YouTubeならアナリティクスで詳細な視聴データを取得でき、どのくらいの応募者が動画を視聴しているか把握できます。
- 視聴数
- 視聴維持率
- 高評価数
- コメント
もし視聴されていないようであれば、サイト上での配置やタイトルの付け方、サムネイルを変更する、SNSでの告知を強化するといった手を打ちましょう。逆に特定の動画の反応が良い場合は、同様の動画を追加制作することも検討できます。
データに基づいて改善を重ねることで、動画活用のROI(投資対効果)を最大化できます。
まとめ:採用戦略における動画の重要性と今後の展望
テキスト中心の採用広報から動画活用へのシフトは、もはや採用戦略上不可欠な流れとなっています。Z世代・α世代の求職者にリーチし心を動かすには、動画というリッチコンテンツが最適です。
今後を展望すると、動画をさらに進化させた新しいリクルーティング手法も登場しつつあります。その一つがインタラクティブ動画やVR/ARの活用です。
視聴者がシナリオを選択できる対話型の動画や、バーチャル空間で職場体験ができるコンテンツは、従来にない没入感で応募者の関心を高めるでしょう。こうした最新トレンドを取り入れれば、楽しみながら企業理解を深めてもらうことが可能になり、優秀な人材との新たな接点が生まれると期待されます。
とはいえ最も大切なのは、動画の本質は「あくまで人に情報を伝え、動機付ける手段」であるという点です。テクノロジーが変化しても、企業が誠実に自社の姿を表現しようとする姿勢こそが求職者の心を動かします。
企業の本音や魅力を映し出す動画は、これからも採用コミュニケーションの主役であり続けるでしょう。ぜひ貴社の採用戦略にも動画を位置付け、時代に即した形で活用してください。動画を効果的に組み込むことで、「伝わる採用」「惹きつける採用」への一歩を踏み出しましょう。
「採用ページ制作プラン」で、貴社の魅力を最大限に発信しませんか?
本記事では、採用サイトの重要性や最新のトレンドについてご紹介しました。
企業が優秀な人材を獲得するためには、自社の魅力をしっかりと伝えられる採用サイトの存在が欠かせません。
私たちホームページ制作ZIUSでは、採用ページに特化した制作サービス「採用ページ制作プラン」をご用意しています。採用サイトに必要な、基本的な情報からデザイン・画像のご提供まで、貴社の採用活動を強力にサポート。
修正や更新のご依頼も、月額料金範囲内で対応可能ですので、まずはご相談ください。
また、LP形式のデザインなので、求職者が求める情報にすぐ辿り着くことができます。採用サイトの制作をご検討の方は、ぜひお気軽にご相談ください。
