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    ホームページにもインバウンド対策を!

    突然ですが、あなたのホームページではどんなユーザーに対して情報発信をしていますか?おもに日本国内のユーザー向けに発信しているでしょうか。

    折りの歴史的円安(2022年11月現在)や経済のグローバル化の効果で訪日客が増加しています。世界規模での効果的な売り上げ増やブランディングの確立を実現するために、今回はホームページ運営におけるインバウンド対策の方法や注意点をご紹介します。

    目次

    日本人向けと海外ユーザー向けのコンテンツの違い

    海外における自社サービス・ブランド力・商品の知名度を向上させるには、何を発信し何を実現するのかという目標の設定が重要です。
    各国の規制・慣習に則ったユーザビリティやアクセシビリティの設計・サイトデザインを進めていく必要があります。

    ※2024年法改正 障害者差別解消法とアクセシビリティ

    運営側に対応できる人材はいますか

    コンテンツの中身・文章を作成する際に、その言語で作成できるスタッフが自社にいますか?もちろん他言語を扱えるスタッフがいる方が軽微な修正や迅速な対応が期待できるので心強いです。しかしもし、母国語以外の言語に対応できるスタッフが居なかったとしても、精緻な翻訳をしてくれるDeepL(ディープエル)などがあるのでひとまずは対応が可能でしょう。

    DeepL Translate: The world’s most accurate translator
    https://www.deepl.com/translator

    DeepL翻訳ページのキャプチャ
    DeepL翻訳:世界一高精度な翻訳ツール

    他には、一時的に翻訳家や通訳を生業としている人間を雇うのも一案です。グローバル化を目指すのであればホームページ制作だけではないランディングコストがかかることも頭の片隅においておきましょう。

    もし、何かしらの翻訳ツールを使うのであれば、気をつけたいのが翻訳ツールの精度です。自身がその言語を扱えない場合、精度が分からないかもしれませんが、翻訳ツールによってはあまり正しい文章になっていない場合もあります。(DeepLの翻訳精度は一般的に「高い」と云われています)

    そうなると、Googleのクローラーにインデックスされたときに、ユーザーが読んで意味の通じない文章になっている場合、スパムと見なされることがあります。これは、Googleガイドライン違反にあたりますので、ペナルティを受けることがあります。サイトの評価の下落・検索順位の大幅な下落・最悪の場合、Googleの検索結果に表示されなくなります。
    Googleサーチコンソールに登録している場合は、Googleから警告メッセージが来るので、それに合わせてサイトを改善しましょう。

    また、世界一有名なCMSであるWordPressのプラグインには、サイト内の言語をクリック一つで翻訳してくれるプラグインもあります。取り急ぎ、日英版のサイトをあつらえたいのであれば、2サイト作る手間を省けますし便利です。

    しかし、実際には翻訳の精度や、URLなどのコンテンツのつくりの観点から見ると、あまりおすすめできません。

    各国の慣習や規制に注意する

    最近、多くのサイトで「クッキーの使用に同意しますか」というポップアップバナーの表示を見かけることが増えたと思います。
    これはヨーロッパ(EU)でのデータ保護に関連した法律(GDPR)に基づく表示です。

    欧州では2018年5月25日にGDPR(EU一般データ保護規則)が施行されました。
    GDPRとは「General Data Protection Regulation(一般データ保護規則)」の頭文字をとったもので、ヨーロッパ経済領域(EU +α)の中で適用される法律です。

    今までは、アクセスユーザーのユーザー情報を取得したり、それを分析してユーザーに合わせた広告を配信していました。しかし、企業が(Webページが)個人情報を勝手に使ったり勝手に他人に提供したりしてはいけない、ということが法令化されたものがこのGDPRです。
    それに伴い、個人情報を使う場合は明確な同意を得る必要があるため、同意確認としてバナー表示をサイトの前面に出す企業が増えています。

    GDPR・CCPAの規制対象ではない日本であっても、個人情報保護に関してしっかり取り組んでいる企業として、誠実で安心な企業というブランド戦略はもちろん、ユーザーに透明性を持った情報開示をすることは企業の社会的責任でもありますので、クッキー取得に関するポップアップバナーは導入しておいて損はないでしょう。

    クッキーとどう関係しているか?
    GDPRでは、一見すると個人情報じゃなさそうなクッキー内の情報も個人情報とみなして保護対象とする、ということですので、関係があります。
    ウェブサイトにおいて、クッキーに「名前」や「メールアドレス」を保存することはしなくても、ただの数字の羅列に見える「ID」を保存することは十分考えられます。
    この「ID」が第三者(別のサイトやウェブサービス)に渡ることにより、それはただの「ID」ではなく立派な個人情報になり得る、ということです。

    統一感のあるサイト構築を

    同じ企業で同じブランドのサイトであるにもかかわらず、言語によってサイトのイメージや使用する企業ロゴなどがばらばらだと企業の全体像が伝わりにくくなります。また、サイトを保守する側においても、コンテンツの情報の細かさや正確性にも差異が生じてしまうので統一性を持たせるようにレイアウトの整備をしましょう。

    気をつけなくてはいけないのは、その国の歴史的背景などから、サイトで使われる色に好感を持つ国もあれば嫌悪感を持つ国もあります。その国の文化・慣習にあった色の使い方に配慮した上で、ページレイアウトを構成することが重要です。

    海外ユーザー向けのSEO対策

    海外向けのユーザーに情報の発信をする場合、まずは検索エンジンに引っかかるように適切に設定をした方がいいでしょう。海外のユーザーがどのようなキーワードで検索するか、あなたの事業で使う商品やサービスの英単語を調べるところからはじまります。単に直訳ではなく実際に使われている単語をしっかり調べる必要があります。

    例えば、車のハンドルを売るECサイトの場合、ハンドルは英語で「Handle」ではなく「(Steering)Wheel」と言います。誤用というよりも、もはや日本では一般化している名称なので、つい「Handle」を使いたくなりそうですが、そこはひとつひとつ確かめてサイトに落とし込んでいきましょう。

    検索結果も多言語化させる

    サイトを多言語にしてコンテンツを充実させても、GoogleやYahoo!などでの検索結果に表示される言語が日本語では、日本語を読めないユーザーにとっては意味がなく、クリックされません。
    そこで、検索結果も多言語化させる設定方法をご紹介します。

    通常、タグ内に記述する「lang」属性は無視されます。ここに設定する言語の情報は、ホームページ制作ソフトなどで自動生成されるため、信頼できる情報と認識されていないためです。

    そこで、「hreflang」属性を用いて、多言語化サイトであるということと、構造事態をGoogleに認識させます。

    <link rel=”alternate” hreflang=”ja” href=”https://example.com/ja/” />

    SNSによる情報発信

    ホームページで扱っている商品やあなた自身の価値を外国向けに発信したいのなら、SNSでの発信もしみてはどうでしょうか。

    ただし、発信は基本的に全て「英語」で行う方が良いでしょう。今はDeepLなどで精緻な翻訳もしてもらえますので、英語力にあまり自信がなかったとしても安心です。

    投稿する画像や動画の質が良ければ、多言語による「文章」を長くする必要はありません。単語や、何を表現しているかなどの説明が書かれていればそれで問題なく伝わる場合もあります。

    Twitter, TikTok, InstagramやFacebookなど日本国内でメインのSNSといえばこの4つが挙げられますが、日本以上に情報の流れの早いアメリカなどでは、日々新しいSNSが誕生しバズっています(バズる(Buzzる):.多くの人に投稿が拡散され、注目を浴びる)。ですので、上記の4つで網羅できているとは全く限りませんのでご理解ください。

    また、それぞれのSNSによってアクティブユーザーが多く人気の高い国やターゲット層が違うので、慣れるまでは発信の方法の変え方には少々の勉強時間が必要かもしれません。

    こちらは、世界で人気のSNSの比較表です。

    SNS比較表(2022年11月現在)

    月間利用者数特徴アクティブユーザーの多い国
    Facebook24億9,800万人匿名性が低い(ユーザーデータの精度が高い)
    ターゲティング広告の精度を上げやすい
    インド
    アメリカ
    インドネシア
    ブラジル
    YouTube20億人ジャンルが豊富
    動画はテキストよりもわかりやすい
     アメリカ
    インド
    ブラジル
    WhatApp15億人アメリカ発、世界で最も利用されているチャットアプリ
    オンライン中なのが相手にわかる機能
    アメリカ
    サウジアラビア
    マレーシア
    ドイツ
    ブラジル
    WeChat11億6,500万人中国版「LINE」
    中国では支払いメインもWewChat
    中国
    Instagram10億人  20代への影響が大きい
    インフルエンサーマーケティングツールとして活用される
    アメリカ
    ブラジル
    インド
    インドネシア
    Snapchat1億9,000万人写真のフィルター機能が有名アメリカ
    フランス
    イギリス

    別々のURLにする

    多言語サイトを作る際の注意点として、各言語のコンテンツには、別々のURLを使用します。これは、Google botがサイトの全ての言語バージョンをクロールできるようにするためです。

    また、ユーザーのアクセシビリティを考慮すると、次のようなURLの構造にすることをお勧めします。ユーザーが現在どの言語のコンテンツにいるかが分かりやすくなります。

    例)
    日本語ページ https://example.com/ja/
    英語ページ https://example.com/en/

    また、ページ間で相互リンクできるようにしましょう。
    ヘッダーもしくはフッターなど、ユーザーにわかりやすいところに言語用のメニューを見えるように設置しましょう。クロールされやすくなるだけでなく、ユーザーが間違った言語ページにアクセスしてしまった場合でも簡単に戻ることができます。

    オフラインでも対応できるように準備を

    ECサイトやオンライン完結の業種ではなく、実店舗がある場合は、やはりオフラインでも対応できる人材が居た方がいいでしょう。人材確保が難しくともせめて店内に英語のメニューや、接客フレーズなどの一覧表などを用意しておくなどの努力があった方が望ましいです。

    インバウンド向けにサイトを公開し、そのサイトを頼りに実店舗まで足を運んでくれた場合、英語での対応が全くダメだった時に落胆されてしまいますので、サイトだけではなく実店舗でも誠意ある対応が求められます。

    2024年法改正 障害者差別解消法とアクセシビリティ

    2024年4月に施行される障害者差別解消法の改正は、デジタルアクセシビリティの新たな基準を設け、障害を持つ人々、高齢者、一時的な障害を持つ人々を含むすべての人がデジタル情報に平等にアクセスできるようにすることを目的としています。この法改正は、情報技術の進展と社会のデジタル化に伴い、誰もが情報にアクセスしやすい環境を実現するための重要な対応です。

    アクセシビリティは、すべての人がホームページやアプリケーションをスムーズに利用できるようにするための基本的な設計原則であり、デジタル空間の平等性を高める社会的責任でもあります。障害者差別解消法の改正により、ウェブコンテンツのアクセシビリティ基準に準拠し、障害を理由とした情報アクセスの障壁を取り除くことが求められています。

    ホームページのアクセシビリティを向上させることは、法的義務を超え、すべてのユーザーへのコミットメントを示す行動です。アクセシビリティポリシーの策定、WCAG 2.1への準拠、アクセシビリティ評価ツールの活用など、具体的な対応策が提案されています。これらの対応策を実施することで、ホームページはより多くの人々にとって使いやすいリソースとなります。

    ZIUSでは、アクセシビリティをウェブデザインの中心に据え、すべての人が情報に平等にアクセスできるデジタル環境の実現を目指しています。障害者差別解消法の改正を受け、障害のある人々を含むすべてのユーザーが直面する可能性のある障壁を理解し、これを解消するための具体的な対策を講じています。

    こちらに詳細な内容をまとめたコラムがありますので、ぜひ読んでいただければと思います。

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