コロナ禍を経験してきた我々人類にとって、人に会わないよう外出せずにインターネットで買い物することに完全に慣れてしまいました。必要物資での調達をほぼECサイトを通して行なっているご家庭や企業も多いのではないでしょうか。
反対に、供給側としてECサイト・ネットショップの構築と運営を始めた方もいるでしょう。今後はさらに工場から直接の製品販売や個人製作物の販売も加速していくと思われます。
今回の記事では、すっかり生活に根付いた「ECサイト」の基本をおさらいしていきたいと思います。
ECサイトとは
ECサイトとは、Electronic Commerce Site（電子商取引サイト）の略称で、インターネット上で商品やサービスを取引するためのウェブサイトのことを指します。
一般的には、消費者が商品を購入するためのオンラインストアや、オークションサイト、デジタルコンテンツの販売サイト、サブスクリプションサービスの提供サイトなどが含まれます。
ECサイトは、24時間365日営業しており、利用者は自宅やオフィスなど、インターネットに接続できる場所からいつでも利用することができます。
また、ECサイトは、商品の検索や比較がしやすく、購入手続きも簡単で、在庫や価格情報のリアルタイム更新も可能なプラットフォームです。これらの特徴から、ECサイトは近年、ますます重要な販売チャネルとして注目されています。
一方で、ECサイトには不正アクセスやクレジットカード情報の漏洩などのリスクもあるため、セキュリティ対策やプライバシー保護などが重要となっています。
はじめてのECサイト、どんなことに注意が必要？
これからECサイトを始めようと思っている方も多いかと思います。
たしかに販売チャネルを簡単に作れるのなら今すぐ作りたい！と思うかもしれませんが、ECサイトを運営するうえで、知っておくべき基礎知識があります。
ここでは法令や商品情報・顧客対応など、ECサイト運営をするうえで必要になる最低限の知識を解説していきます。
法令遵守: ECサイトを運営するにあたって、消費者保護や個人情報保護などの法令を遵守することが重要です。例えば、特定商取引法に基づく表示や、プライバシーポリシーの作成、個人情報の適切な取り扱いなどが求められます。
商品情報の充実: 商品情報を詳細かつ正確に掲載することが大切です。商品の仕様や画像、価格、在庫状況、配送にかかる期間や料金、返品・交換に関するルールなど、消費者が知りたい情報はできるだけ網羅的に掲載するようにしましょう。
顧客対応: ECサイトでは、顧客対応が非常に重要になります。商品に関する問い合わせや、注文に関するトラブル、配送の遅延などに迅速かつ丁寧に対応することが、顧客満足度を高めるために必要です。
決済システムの選定: ECサイトでは、クレジットカードや銀行振込、代金引換など、さまざまな決済方法を提供することができます。決済システムを選定する際には、利用者の利便性や安全性、手数料などを比較検討し、適切な決済方法を選ぶようにしましょう。
マーケティング戦略の策定: ECサイトを運営するにあたって、マーケティング戦略を策定することが大切です。SNSやメールマガジンなどを活用したプロモーションや、SEO対策、キャンペーンの実施など、集客につながる施策を展開することで、ECサイトの売上アップにつなげることができます。
上記の点に注意しながら、ECサイトの運営を開始すると良いでしょう。
他には、
・運営に必要なルールやポリシー（商品の在庫や配送方法、返品・交換に関するルール）
・セキュリティ対策やプライバシー保護
・サポート体制の整備
など顧客満足度を高める取り組みも重要です。
ECサイトに必要な機能とは
ECサイトを運営するためには、多数の機能が必要となってきます。商品管理や注文管理、決済管理など基本的な機能から、マーケティング機能やセキュリティ機能などの上級機能まで。ここではECサイトに必要な機能を紹介します。
| 商品管理機能 | 商品の登録、在庫管理、価格設定などを行うための機能です。 |
| 注文管理機能 | 顧客からの注文管理や、出荷・納品の管理などを行うための機能です。 |
| 決済管理機能 | クレジットカード決済や銀行振込などの支払い管理を行うための機能です。 |
| 顧客情報管理機能 | 顧客情報の管理や、注文履歴の確認などを行うための機能です。 |
| マーケティング機能 | ニュースレターの配信や、クーポン発行などのマーケティング機能を提供することが重要です。 |
| 配送管理機能 | 出荷先の住所や商品の個数、送料などを管理するための機能です。 |
| レポート機能 | 売上や利益などの集計を行い、分析することができる機能です。 |
| カスタマーサポート機能 | 顧客からの問い合わせ対応や返品・交換の管理を行うための機能です。 |
| SEO対策機能 | サイト内の検索エンジン最適化を行うための機能です。 |
| セキュリティ機能 | SSL通信や不正アクセス対策などのセキュリティ機能が必要です。 |
これらの機能は、ECサイトを運営するうえで最低限必要な機能です。また、ECサイトの種類や規模、業種などによって必要な機能は異なりますので、自社のニーズに合わせて必要な機能を選定することが重要です。
ECサイト・ネットショップを運営するうえで必要な業務とは
ECサイト・ネットショップを運営する上で必要な業務は以下の通りです。
| 商品管理 | 商品の登録、在庫管理、商品画像・説明文の作成、価格設定など |
| 注文管理 | 受注、発注、配送、納品、返品・交換処理、問い合わせ対応など |
| 決済管理 | 各種決済方法の導入、決済処理の管理、セキュリティ対策など |
| マーケティング | SEO対策、広告掲載、メールマーケティング、SNS活用、キャンペーン実施など |
| カスタマーサポート | 問い合わせ対応、不具合解決、商品に関するアフターサポートなど |
| データ分析・改善 | アクセス解析、商品・サイト改善、顧客分析などに基づくサイト改善・改良 |
| セキュリティ管理 | 情報漏洩防止、不正アクセス対策、適切なSSL証明書の導入、セキュリティ対策の定期的な点検・ECサイト運営に必要なシステム・ツールの選定や導入、運用管理など |
ECサイト・ネットショップを運営するためには、これらの業務を適切に分担・運用することが必要です。
ECサイトと実店舗どちらで開業するのがいい？
ECサイトと実店舗、どちらがよいかは、事業内容や販売商品、ターゲット顧客層、販売戦略、運営資金などによって異なってくるので一概には言えません。
ECサイト開業のメリットとしては、販売地域の制限がなく、24時間営業が可能であること、店舗開業にかかる初期投資や人件費の削減ができることなどがあります。また、オムニチャネル戦略を取ることで、ECサイトと実店舗を組み合わせた販売方法を採用することも可能です。
オムニチャネルとは：
オムニチャネル（Omnichannel）とは、アパレルなどの小売業を中心に広まっている販売戦略の一つで、実店舗やアプリ、カタログ、ウェブ、ECサイトなど、顧客とのあらゆる接点（チャネル）で最適な購買体験を提供することで販売増を目指すマーケティング手法を指す。
一方、実店舗で開業する際のメリットとしては、商品の実物を確認できること、直接接客することができること、地域の人々とのコミュニケーションを図ることができることなどがあります。
実店舗でお客様と対面することで得られる親近感や信頼感のメリットはいうまでもありませんが、場所となる物理的なモノ・ハコの管理は容易ではありません。アクセスの良さである立地条件に合うロケーションの選定や集客力なども考える必要があります。
ECサイトと実店舗のどちらがよいかは、事業者の事業内容や販売商品、ターゲット顧客層、販売戦略などを考慮して判断する必要があります。また、ECサイトと実店舗を組み合わせることで、顧客のニーズに合わせた最適な販売方法を構築することができます。
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